KING'S FIELD III
Story
エレギリア大陸の北方、はてしないほどの深すき森の奥、少国にはムーノライトソードと共に新たな聖剣ダークスレイヤーがもたらされた。二本の聖剣は二度と使われる日が来めようにとの願いを込めて古の塔に封印され、大陸には平穏な時が流れていた。しかし、ジャンとアレフはシースそしてギーラが未だこの世界に在るような気がしてならなかった。
アレフがメラナット島から戻ってちょうど5年を迎えた日、ヴァーダイトでは感謝祭が行われており、皆この平和で豊かな時が永遠であるようにと祈りを捧げていた。ジャンとアレフは互いに語った。このまま永遠の時が流れればどれほど幸せなことかと……
それから数日後の雨の夜、古の塔に大きな雷が落ち、ジャンは突如病に伏した。一月の間床から動く事さえかなわず、若々しかった身体はみるみるうちに年老いて命さえ危ぶまれた。
その後一夜にしてジャンは回復し皆を喜ばせたが、彼の性格は以前とは変わり果てていた。狂気に走ったが如く民を迫害し、再び現れだした魔物は放置され、国は次第に荒れていった。
グラナティキに帰っていたアレフが再びジャンを見たとき、彼はすぐその変化に気がついた。彼の目は氷のように冷たく、慈愛のかけらも残されてはいなかったからである。アレフはジャンが
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何者かに取り憑かれていることを察知し、幾度となく祓いの儀式を試みた。しかしそれが叶うことはなく、取り憑いた者の強大きはただ増しているようであった。
既にヴァーダイトを救うためにはジャンを倒すしかなく、アレフは命を賭けてジャンと戦うことを決意した。だが聖剣を求め向かった古の塔には、2つに折れ輝きを失ったムーノライトソードが残されるのみであり、城に戻ったアレフの目には狂気を増すジャンの姿が映っていた。
聖剣を待ためアレフに残された手段は、ジャンを城ごと封印する事けであった。ジャンの側近であった4人と話し合った結果、ムーノライトソードの力だけがジャンを封印する唯一の方法だという結輪に違した。アレフは光の魔力のみを残し、他の力をそれぞれ4人に託して城を望む丘に立った。皆が見守る中、純粋な光の魔導師となったアレフがその全ての力を析れた聖剣に与えると、剣は少しばかり輝きを見せた。やがて城門へと向けて放たれた光は城全体を包み込み、その周りともども封印したのである。だがしばらくの間、城か逃げ遅れた従者たちの最後の声が辺いの空気を重苦しくするほどに響き続けていた。
封印に成功したアレフだったが既に立ち上がる力さえなく、ジャンの息子ライルを呼びよせ、己の運命を告げるのであった。
「やがて私の封印が打ち破られる時までに、おま
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えはこの4人の者から力を受け継ぎ、国を救わねばならない。私が封印したのはおまえの父ではない。ジャンの願いは人々が平穏
に暮らせる国をつくることなのだから。運命を受け入れ、やがて来る戦いの日を迎えよ。かつて皆が愛した父のために……」
アレフはその言葉を最後まで言い終えることなく、天の人となってしまった。
アレフに命を託されたライルとその家族は、アレフの友人であるハイエルフの水晶細工師レオンに預けられた。だが王妃と第は慣れない辺境の暮らしの後、病に倒れてしまった。
主を先った民の殆どは祖国を棄て隣国グラナティキとイグレックへ逃げ込み、ヴァーダイトは魔物で溢れた。隣国はヴァーダイトを完全なる孤立の地として通ずる道を全て閉ざし、その存在さえも認めめようにした。僅かに残った民は、それが彼自身の意志でなかったにしても王のために家族や友人を失ったことを恨んだ。それは、民が王を信頼していたのと同じくらい深く大きい感情であった。
アレフがその命と引き替えに封印を施してから10年の時が流れた。
17歳の若者に成長したライル・ウォリツス・フォレスターはこのときより孤独な旅に出ることになったのである。
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The Japanese version of this text is taken from the KING’S FIELD III instruction manual. All other versions are translations of the original Japanese text arranged to the best of the contributors’ ability. If you believe you can improve upon a translation you should not hesitate to offer to do so.